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story 未来に語り継ぎたい名馬物語

未来に語り継ぎたい名馬物語 72

日本馬で初の凱旋門賞挑戦
スピードシンボリと新時代の扉

江面 弘也 KOYA EZURA

2022年5月号掲載掲載

陣営の熱い想いを乗せ、二度海を渡り、初めて凱旋門賞に挑戦したスピードシンボリ。
遠征を経て逞しく輝いた彼の戦いこそ、日本競馬の“原点”のひとつとも言える。

    ©JRA

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     有馬記念連覇と二度にわたる海外遠征――。

     スピードシンボリを語るときの、ふたつのキーワードである。

     有馬記念の連覇は史上はじめてのことだった。現在とは違って、レースの選択肢が限られ、すべての馬が有馬記念をめざしていた時代の連覇である。それを、スピードシンボリは6歳、7歳でやってのけた。

     二度の海外遠征は4歳と6歳で、まだ日本馬のレベルが欧米先進国に遠くおよばなかった時代――一般の日本人には海外旅行さえ夢だった時代――にアメリカのワシントンD.C.インターナショナルとイギリスのキングジョージⅥ世&クイーンエリザベスステークスというビッグレースで5着となったのだ。その価値ははかりしれない。

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