競馬場レースイメージ
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出走馬の様子
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story 未来に語り継ぎたい名馬物語

    トニービン産駒の特徴から
    感じたダービーへの手応え

    2001年 共同通信杯 ● 優勝 アグネスタキオンに敗れたラジオたんぱ杯3歳S(2着)から角田晃一騎手の手綱に。続く3歳始動戦では人気に応え快勝©K.Yamamoto

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    2001年 皐月賞 ● 3着 一冠目ではアグネスタキオンへの雪辱を期したがスタートでの出遅れが響き、猛追するも0秒3差及ばなかった(白帽)©F.Nakao

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     ただ、共同通信杯のレースを見た時に、逆転の目が出てきたと横手は感じる。最後の直線で大外に進路を取ったジャングルポケットは、長くいい脚を使うトニービン産駒らしく、一完歩ごとに加速に乗っていった。

    「ジャングルポケットもそうですが、トニービンの仔は不器用な馬が多く見られました。コーナーでは加速を付けられないので、直線で体勢を立て直し、手前を替えてから、ようやく加速へと入る。共同通信杯を見ても末脚は確かでしたし、東京コースでなおかつ、距離が延びるダービーなら、アグネスタキオンを差し切れるのではないかと思いました」

     皐月賞では後方から脚を伸ばしていくも、先に抜け出したアグネスタキオンを捉えられずに3着に敗れたが、横手はダービーに向けて目処が立ったレースだと見ていた。

     そのダービーを前に、アグネスタキオンは左前浅屈腱炎を発症。ジャングルポケットにとっては最大のライバルがいなくなったが、相手関係を抜きにしても、同世代の中で最も東京競馬場の芝2400㍍を速く走れるのは、ジャングルポケットであるという思いに変わりはなかった。

     ダービーの前に行われたNHKマイルCでクロフネが優勝し、横手厩舎の育成馬としては初のGI馬となり、横手にとってはまさに追い風の吹く中で行われた日本ダービー。

     1番人気はジャングルポケット、2番人気はクロフネと横手厩舎の出身馬が上位人気を集めたレースは縦長の隊列で進み、2頭は後方に構えた。最後の直線で、先に動いたクロフネが馬場の真ん中から抜け出しを図る。

     その時、外から脚を伸ばしてきたのがジャングルポケットだった。横手の言葉通りに、手前を替えてから加速すると、スピードの違いと完歩の大きさで、一気に先頭へ躍り出る。
    「テレビで見ていましたが、凄い馬だなあと、どこか感心していました。その後、牧場にいたスタッフたちと、祝勝会という名目でバーベキューをしたのですが、みんなの嬉しそうな表情を見た時に初めて、ダービーを勝てた喜びが湧き上がってきました」

    2001年 日本ダービー ● 優勝 二冠を目指したアグネスタキオンが屈腱炎で戦線離脱。1番人気の評価を得ると、長所が活きる東京競馬場の直線を力強く 伸びて世代の頂点に君臨©H.Watanabe

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