story 未来に語り継ぎたい名馬物語
未来に語り継ぎたい名馬物語 61
史上最大着差で“世界”に勝利
タップダンスシチーが得た転機
2021年4月号掲載掲載
目標を達成した後も
国内外で果敢な挑戦
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7歳になった04年も活躍は続いた。金鯱賞を2連覇すると、前年は3着に敗れた宝塚記念も得意のロングスパートを繰り出し、1番人気の支持に応えてレースレコードで快勝。堂々たるレースぶりで二つめのビッグタイトルを手にした。
秋には輸送機のトラブルに見舞われたものの凱旋門賞へ遠征(17着)した。帰国後には疲労の回復に手間取って調整に苦しみながらも有馬記念に出走。ハイペースで逃げると、JRAレコードで勝ったゼンノロブロイと半馬身差の2着に粘ってファンを唸らせた。
8歳になった05年の春には金鯱賞3連覇という偉業を達成。しかし、レース当週に外傷を追った影響もあって、連覇を目指した宝塚記念で7着に敗れると、以後は彼らしい粘りが影を潜めていった。そして有馬記念(12着)のレース後、歴史的な圧勝を飾ったジャパンCでつけた「1」のゼッケンをまとい、夕闇に包まれる中山競馬場で引退式を挙行。ファンの温もりに満ちた拍手と歓声に送られてターフを去った。
◇
5年10カ月にわたった現役生活において、42戦ものレースを走りきったタップダンスシチーは、文字どおりに晩成型の名馬だった。自らの気性の激しさを持て余し、何度も地に塗れたそのキャリアは必ずしも美しいとばかりは言えないだろう。だが、そこがいい。 (文中敬称略)
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タップダンスシチー TAP DANCE CITY
1997年3月16日生 牡 鹿毛
- 父
- Pleasant Tap
- 母
- All Dance(父Northern Dancer)
- 馬主
- (株)友駿ホースクラブ
- 調教師
- 佐々木晶三(栗東)
- 生産牧場
- Echo Valley Horse Farm&Swettenham Stud(米国)
- 通算成績
- 42戦12勝(うち海外1戦0勝)
- 総収得賞金
- 10億8422万1000円
- 主な勝ち鞍
- 04宝塚記念(GI)/03ジャパンC(GI)/05・04・03金鯱賞(GⅡ)/03京都大賞典(GⅡ)/02朝日チャレンジC(GⅢ)
- JRA賞受賞歴
- ―
2021年4月号掲載