競馬場レースイメージ
競馬場イメージ
出走馬の様子
馬の横顔イメージ

story 未来に語り継ぎたい名馬物語

    目標を達成した後も
    国内外で果敢な挑戦

    2004年 宝塚記念 ● 優勝 途中で先頭に立つ競馬を意識した鞍上に導かれ、力でねじ伏せる勝利。秋は凱旋門賞へ挑戦した©JRA

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    2004年 有馬記念 ● 2着 輸送機のトラブルがあった凱旋門賞は17着と大敗。帰国初戦で体調が不安視されたが、改めて力を示した(黄帽)©H.Ozawa

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     7歳になった04年も活躍は続いた。金鯱賞を2連覇すると、前年は3着に敗れた宝塚記念も得意のロングスパートを繰り出し、1番人気の支持に応えてレースレコードで快勝。堂々たるレースぶりで二つめのビッグタイトルを手にした。

     秋には輸送機のトラブルに見舞われたものの凱旋門賞へ遠征(17着)した。帰国後には疲労の回復に手間取って調整に苦しみながらも有馬記念に出走。ハイペースで逃げると、JRAレコードで勝ったゼンノロブロイと半馬身差の2着に粘ってファンを唸らせた。

     8歳になった05年の春には金鯱賞3連覇という偉業を達成。しかし、レース当週に外傷を追った影響もあって、連覇を目指した宝塚記念で7着に敗れると、以後は彼らしい粘りが影を潜めていった。そして有馬記念(12着)のレース後、歴史的な圧勝を飾ったジャパンCでつけた「1」のゼッケンをまとい、夕闇に包まれる中山競馬場で引退式を挙行。ファンの温もりに満ちた拍手と歓声に送られてターフを去った。

           ◇

     5年10カ月にわたった現役生活において、42戦ものレースを走りきったタップダンスシチーは、文字どおりに晩成型の名馬だった。自らの気性の激しさを持て余し、何度も地に塗れたそのキャリアは必ずしも美しいとばかりは言えないだろう。だが、そこがいい。   (文中敬称略)

    2003~2005年 金鯱賞 ● 優勝 6歳時からは金鯱賞を3年連続で勝利。約半世紀ぶり、史上2頭目となるJRA同一平地重賞3連覇の偉業を達成した©F.Nakao

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    ©F.Nakao

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    ©M.Sakitani

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    ©Y.Kunihiro

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    タップダンスシチー TAP DANCE CITY

    1997年3月16日生 牡 鹿毛

    Pleasant Tap
    All Dance(父Northern Dancer)
    馬主
    (株)友駿ホースクラブ
    調教師
    佐々木晶三(栗東)
    生産牧場
    Echo Valley Horse Farm&Swettenham Stud(米国)
    通算成績
    42戦12勝(うち海外1戦0勝)
    総収得賞金
    10億8422万1000円
    主な勝ち鞍
    04宝塚記念(GI)/03ジャパンC(GI)/05・04・03金鯱賞(GⅡ)/03京都大賞典(GⅡ)/02朝日チャレンジC(GⅢ)
    JRA賞受賞歴

    2021年4月号掲載

    三好 達彦 TATSUHIKO MIYOSHI

    1962年生まれ、香川県出身。立教大学文学部卒業。雑誌やweb媒体などで競馬のほか、サッカー関連の記事も執筆。

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