story 未来に語り継ぎたい名馬物語
未来に語り継ぎたい名馬物語 28
短距離界の絶対王者
ロードカナロアの偉業
2017年10月号掲載
日本競馬史上最強のスプリンターとも評されたロードカナロア。国内で3つ、香港で2つのスプリントGⅠを勝利、さらにマイルの安田記念も制した、短距離界の絶対王者だ。
距離は凱旋門賞の半分の1200㍍。しかし、日本馬にとっては凱旋門賞よりもはるか遠くにゴールがあると思われていたレースがある。
香港スプリントだ。
日本馬として史上初めて、そして現在のところ唯一このレースを優勝した馬がいる。それも2連覇してみせた。
それがロードカナロアだ。
彼のラストランとなった2013年の香港スプリント。このレースに、彼が日本の競馬界に残した“モノ”の全てが集約されていたのかもしれない。今回は、そのレースぶりとそこへ続くまでの彼の道程を改めて振り返ってみたい。